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人生に驚きと絶望を

絶望と闇を愛する THE 気分屋による乙女ゲー感想日記

花咲くまにまに 感想

乙女ゲーム

昨年9月に「遥かなる時空の中で6」をプレイして以降、私生活の忙しさとあんスタのおかげですっかり乙女ゲームと距離ができていた。そんな私の記念すべき復帰作が「花咲くまにまに」である。

2014/9/25にVita移植版が出た時から予約購入してずっと懐で温めていた作品d………嘘です、やる暇がなかったんですごめんなさい。周囲の評価も高く、素晴らしい作品だと伺っていたからこそ時間のある時にしっかり腰据えてやりたいと思っていたら1年半も積まれていた。ユルシテオクレ。

 

以下ガッツリネタバレしているので、閲覧注意。

 

いざ花まにをスタート。

まず素晴らしいのはプロローグからOPに入るまでの流れ。OPに関しては周回含めて全部で5回は見たが、一度もスキップしなかった。花まにのOPは素晴らしい。江戸の花魁街が炎上しているシーン、そして現代に住む七緒(主人公)が夏祭りを訪れ、タイムスリップの場所となる鳥居を抜けるとそこはーーーーー。

私もやってみたい。

伏見稲荷の千本鳥居を訪れたくなる作品である。ほら、赤い月の夜には明治に飛べるとか憧れだよね?……はい、現実を見ます。

オススメされた攻略順を参考にして

白玖→辰義→宝良→倉間→和助

の順に進めることにした。ちなみにこの攻略順、大正解である(個人の感想です)。

 

◎白玖

こ れ が 乙女ゲームだ…………!!!!!

数ヶ月ぶりの乙女ゲー復帰作最初のキャラ、白玖さん。これが乙女ゲームだ……と私の心にトキメキというものを思い出させてくれましたありがとう白玖さんありがとう花まに。さすが公式人気投票堂々の第1位、世論の意見の代表である。

冷たい態度がテンプレな白玖さんですが、共通ルートの個人イベントから少しずつ優しさが見えてきます。ツンデレか、ツンデレなのか。ニヤニヤが止まらない。白玖さんもとい桂小五郎と和助さんは歴史上の人物ということで史実ルートになります。その結果、他のキャラに比べて内容も濃くシリアスめになるのだが、それがまた良い。よく作り込まれているなというのが正直な感想である。

個別に入ってからの白玖さんは萌えが大爆発でした。西郷さんとの会合で独占欲全開な桂さん可愛すぎかよグッジョブbb 策士キャラにはもれなく落ちる私ですが、そんな頭脳派が主人公に振り回される図は最高以外の何物でもない。

考えるのは桂さん、切り拓くのは和助さんという2人のコンビネーションが最高なんですが、終盤はひたすら和助さんに号泣。いや、和助さんの正体が分かった段階で予想できた展開でしたが、それでもやはり号泣。ベストエンドで新たな時代へ足を踏み出した2人の傍に和助さんがいないことだけが切なくて、同時にそういう終わり方がとても良いとも思いました。最後の最後に「愛してる」という言葉を持ってくる桂さんは流石の一言。こういう言葉は安売りするものではなく、もっと重みを持たせるものだと常々思う。

個人的に結構好きだったのがノーマルエンド。こういう時空を超えて再び出会える転生系に弱い私です……。ただし花まにの場合は七緒が実は江戸っ子だったので、ベストエンドで良し。現代っ子のトリップ物の場合は転生系が好きです(完全に趣味)。

 

◎藤重辰義

やってくれたな蔵ガール

乙女ゲームの檻ガールならぬ蔵ガールです。やってくれました辰義くんに拍手(褒めてる)。1周目を進めている段階で藤重家には何かあるなとは思っていたが、藤重さん家の辰義くんはとんでもなく病んでいた。そんな彼に、私の中の一級介護士が目覚めました。

彼を救ってあげなければならないーー……

共通ルートではたまに見せる優しさがとても良い辰義。とたを介して七緒との距離が少しずつ縮まっていくのがとても微笑ましかった。とても、微笑ましかった……!

だがしかしそんな2人を見事に引裂きにかかる個別ルートは完全に辰義のターンです。白玖ルートとの温度差がありすぎて風邪引く。自分の家族を破滅に追いやった元凶である花魁、吉乃の子がまさかの七緒であったと判明してからの辰義の対応がまさにブリザード。清次郎と宝良に復讐を果たすべく更に冷徹な眼差しを讃える辰義。cv.保志のキャラはどうしてこうも復讐心に苛まれているのだろうか(剣が君の左京さん然り)。

七緒が、蔵ガールもとい蔵に監禁されてからが辰義の本領発揮である。未だに個別ルートから態度が急変した理由が分からない七緒に、自身の過去を語る辰義。家族が崩壊してから、その復讐心だけで生きてきた辰義を理解し、必死に寄り添おうとする七緒と蔵で食事や時間を共にするうちに、辰義の中にも七緒に対する心境の変化が表れ始める。あんただけは助けてあげてもいい……ここが病んでるからヤンデレへのターニングポイントである(重要!テストに出るよ!)

共通ルートからなんとなく2人とも惹かれ合っていたという前提があるからこそ、この中盤の展開が実に泣ける。七緒には心を許し始める辰義だが、やはり復讐心は消せない。だって復讐という目的がなくなったら俺が今まで生きてきた意味はなんだったのか、ただこのためだけに生きてきたというのに……!そんな彼の叫びが痛いほど心に刺さります。

そんな辰義ルートの終盤ですが、倉間により蔵から救い出された七緒と、遂に見世の皆に捕まってしまう辰義。しかしここで周防先生から衝撃の事実が告げられます。それは宝良ですら清次郎の実子ではなく、しかも辰義と燈太を引き取るのと同時に彼らにかけられた父親の借金を肩代わりしていたということ。最後の最後に、自分の勘違いに気づく辰義くんに「もっと早く教えてあげてよ〜〜〜;;」と言わざるを得ませんでした、つらい。和助さんが神のような懐の深さで辰義を許すも、やはりこのまま見世にはいられないと、皆に見送られながら七緒を連れて萩へーー(ベストエンド) これからは過去の復讐ではなく、七緒との未来ために生きて欲しいと、そう願わずにはいられない辰義ルートでした。

ベストエンドの辰義も良かったですが、やはりノーマルとバッドが辰義の真髄だと思います。というか完全に私の性癖です←

ノーマルエンドのメリバ感は、黒蝶の鉤翅や華アワセの姫様に次いでランクインしましたおめでとう辰義(拍手) ズームアウトした時に分かる紐で繋がれた手と手にゾッとしたで賞!!

そしてバッドエンド……やってくれました(2回目) こういうヤンデレキャラほど、自分が七緒に裏切られたと思い込んだが最後、バッドエンドへと突き進んで行きます。彼ならどこかでやってくれると思ってましたが、過去をなぞるように、父親と同じように、見世に火を放つ辰義。それだけでもう、興奮します(語弊) とたが犠牲になったことだけは辛いですが、大切な人だからこそこの手で……という辰義は最期まで辰義でした。そんな彼は、宝良ルートの方が幸せになれます(後述)

 

藤重宝良

 何故とたが攻略できないのか……!?

宝良の感想じゃない?ごめんなさい。でもこの一言に尽きるんだ……とたァ……。

宝良は持ち前の明るさと親しみやすさで七緒を笑顔にしてくれる良い奴である。(ただし良い奴止まりになりやすい典型とも言う) 辰義の後の宝良もまた温度差がありすぎてインフルエンザになる。

彼のルートは、兄妹という壁をなかなか乗り越えられないもどかしさがテーマと言えるでしょう。辰義ルートで既に藤重家の真相については判明しているが、宝良もまた自分は清次郎の実子だと信じて疑ってないので、七緒が清次郎と吉乃の子である以上、兄妹として、良い兄として接するようになります。共通ルートで若干恋が芽生え始めてるところにこの事実が突きつけられるので、この微妙な気持ちはなんなんだろうと混乱するも、兄としての妹愛を貫こうとする姿勢は切ない。それから浅野さんとの七緒の取り合いがとても良い味を出していました。浅野さん男前すぎてサブキャラMVP。

ベストエンドでは、倉間のワープにより辰義のスパイを事前に止めることに成功します。ここで兄弟の事実が明るみになり、それでも反発する辰義に華麗なビンタをするのですが、そのスチルが良いです。辰義にはビンタの一発二発くらいお見舞いして目を覚まさせてあげるのがよろしい(荒療治) 事前に阻止できたことにより、何事もなく迎えられる宝良のベストエンドが、やはり辰義にとっては一番幸せなエンドだと思う。そして数年後のスチル……成長したとたの姿にVitaをぶん投げて机に頭を打ち付けました。とただって七緒が好きだったのよ!!!とたの本性が判明してからは、こいつ将来有望だな……と思っていたがこれは反則です攻略させてくれ。

宝良の感想なのに他キャラの話になってる?許せ……ちなみにバッドエンドのスチルが儚げでとても好きです。

 

倉間楓

君が 人外枠か……!!!

1周目をプレイしていた時から薄々感じていた。こいつは某乙女ゲームのチャーリー枠に違いないと。ホワイトデーの時期を知っていた時点で黒である。案の定の案内人(神使)であった。

1周目が終わった段階で、プロローグの視点は倉間だったんだと判明するのだが、自ルートで明らかになる吉乃との出会いや思い出が切ない。これは七緒も「自分は吉乃さんと重ねられているのでは……」と思ってしまいますね。倉間は倉間で、七緒には絶対に幸せになってもらいたいからこそ自分では相応しくないという葛藤に苛まれます。そして時空を自由に超えられるというチート技を持っている倉間ですが、もちろん代償は付き物です。他ルートでは七緒の幸せのために自身の力を使い切って消えていく倉間ですが、倉間の視点から考えるとやっぱり切ねぇ……。

見世に火が放たれ、倉間の力に頼らないとどうしようもない状況からエンドは分岐します。ベストエンドでは、倉間の最後の力を振り絞って火事の前に戻り、見世の皆を無事助けることに成功しますが、しかし倉間はその代償に神社から離れることができない状態に。そして別れを覚悟で本当の最後の力で七緒を現代に送り返す倉間ですが……何故かそのまま神使の役目も終わり、現代に転生していた倉間。ちょっと笑ってしまった← しかし転生物が大好きな私としては良いと思います。個人的には、江戸で木の下に埋めた櫛を時代を超えて掘り起こすシーンが好きです。あの時この場所に確かに2人は存在したという証。最高ですね。現代では何故か花屋をしてる倉間ですが、花屋は良いぞ!

さぁここからは個人的な趣向の話ですが、ノーマルエンドが実に良き。療養の地で、力も弱り、もう先も永くない倉間と甲斐甲斐しく世話をする七緒。眠るように死に逝く前に倉間のモノローグが入ります。あの時、倉間が作って七緒に贈った簪には七緒が自分を選んでくれるように、という強い願いが怨念のように宿ってしまっていたこと。そのために、無意識のうちに自分を選ばせてしまっていることに対する懺悔。しかし、七緒が傍にいてくれることが途方もなく幸せだと感じる倉間。七緒の選択が彼女の意思によるものか、はたまた無意識のうちに願いの力が働いてしまった結果なのか……このメリバ感にゾッとすると同時に、自分の気持ちに抗えなかった倉間の人間臭さが好きなエンドです。手作りのものには、作り手の想いが宿りやすいというのは、よくある話ですね……

 

谷和助

君がメインヒーローや

満場一致の可決です。おめでとうございます和助さん。正直、初見ではあまり興味がなかった。しかし1周目の白玖さんの終盤あたりから和助さんに涙し、ずっと楽しみにしてきました。5番アンカー滑走、谷和助!ぶっちぎりの1位でゴールです!!!!

和助さんの正体が高杉晋作だと判明してからというもの、死ぬ運命から逃れられないと頭を抱えていました。しかし何と言っても和助さん、共通ルートから男前っぷりを如何なく発揮してくれます。三味線を引く和助さんがカッコ良すぎて「抱いてくれ……」ってなったのはここだけの話。

個別ルートからは攘夷派としての活動のために見世の外に出ることが多くなります。奇兵隊の訓練中に洋装になってる和助さん卑怯ですよカッコ良いね???七緒の現代の話や英学の話など、あれだけ興味深く聞いてくれてる和助さん見てると本当に今思い出すだけでも泣けてくる。白玖さんでも語りましたが、前を切り拓いていくのは自分の役目で、それからの時代を作っていくのに桂の頭が必要なんだ、と言う和助さん。だから刀を振るのは俺だけで良いという和助さん。どんだけ泣かせにかかるんだよ〜〜〜〜;;;;おまけに死を覚悟している遺書のような手紙すら送られてくる。そんな彼も七緒と接していくうちに死ぬ覚悟ではなく、生きる覚悟を持つようになってくれる。泣く。そして白玖ルートでもそうでしたが、和助さんが咳するたびに私の寿命が縮まります。心臓に悪い。

和助さんルートで個人的に一番泣いたのは、見世のため、和助さんのために花魁になると覚悟した七緒が、一度で良いので和助さんと一緒になりたいと請うシーン。倉間ルートで吉乃さんと清次郎さんのの過去を知ったからこそ、身を捧げるのは心に決めた人にだけ、という母と同じ展開を選んだ七緒がもう涙なしでは見られません。目の前が霞む。

死という運命から逃れられない和助さんは一体どんなベストエンドになるんや……と思っていましたが、まさかのというかやはりというか、やってきました倉間のチート技のお時間です。2人で現代に飛ばされます。確かに和助さんの労咳を治すには現代に行くしかないよなぁと……どっかの明治でもそんな展開があったような(ここで手記は途絶えている)

個人的には、和助さんはノーマルエンドが好きです。平和が訪れた後の万珠屋。相変わらず和気藹々と暮らす皆の中に和助さんの姿はありません。しかし七緒のお腹の中には彼との子供が……もうこれだけで号泣案件なのですが、

生まれてくるこの子は、好きな人と一生を添い遂げられますようにーー

そう願いをかける七緒が完全に吉乃さんと重なってもう泣き崩れる。ハッピーエンドにはならなくても、こういう綺麗な終わり方にひたすらハラハラと涙だけが止まらないのである。ありがとう花まにありがとう5pb.(天を仰ぐ)

 

◎総評

周囲の評価通り、文句なしの素晴らしいシナリオでした。乙女ゲームのトキメキを思い出させてくれた白玖さん、これぞ絶望という私の性癖にクリティカルヒットをかましてくれた辰義、私が求めていた切なさを上回って泣かせてくれた和助さん……。サブキャラを含めてどのキャラも魅力的でした。やっぱり和物は良いですね、好きです。数々の絶望や苦難を乗り越えた先にある幸せを掴み取る2人……そんなシナリオをこれからも求めて行きたいと改めてコンシューマーゲーに対して意欲を燃やしました。そんな私が次にプレイするのは百花百狼。これがまた、とんでもなく絶望させてくれる物語でした。次の感想をお楽しみに……

 

ちなみにVita版花まにはおまけコンテンツが追加されており、なんと各キャラ2枚ずつスチルがあるという太っ腹。辰義の追加シナリオが最高でしたよ…………